36協定届の適切な作成方法(その2)


こんにちは。「労働基準監督署・調査対策対応支援.com」の
加賀英治です。

この記事は、
36協定届の適切な作成方法についての
連載記事の一つとなっております。

先回は、事業の種類』、『事業の名称』、
事業の所在地』の書き方についてお示し致しました。

(先回記事は下記となります。ご覧になりたい方は下記をクリック)
36協定届の適切な作成方法(その1)

意外と奥が深いということがお分かりだったと思います。

今回は、下段に移りまして、まず一番左の
時間外労働をさせる必要のある具体的事由
についてお答えしたいと思います。

なお、実際の書式をご覧になりながら
この記事をお読みください。(以下をクリック)

36協定届

それでは、解説に入ります。

●36協定届の具体的な記載方法(つづき)

時間外労働をさせる必要のある具体的事由

だんだん、重要な部分に入っていきます。

内容はと言いますと、どんなときに残業をさせられるのか
というということですね。

しかし、ここの書き方はそんなに難しいことはないでしょう。

なぜかと言えば、一般的に残業が必要になる事態というのは、
おおよそ類型化できるからですね。

そしてこの部分は、右となりの欄、業務の種類』とも関連がありますので、
具体的には、業務の種類に応じて、時間外労働をさせる理由が
決まって
くるということになります。

例えば、『業務の種類』が経理である場合には、
締日や支払日に応じて集中して業務をこなさなければ
ならないでしょう。

営業であれば、臨時の顧客対応などが求められる
ことがあるでしょう。

製造現場であれば、臨時の受注に応じて残業して稼働
しなければならない事態もあります。
また、納期の変更といった顧客対応にも
柔軟に対応しなければならないものです。

このようにまずは、右となり欄の『業務の種類』を
書き出していった方が良いと思います。

その後、左欄『時間外労働をさせる必要のある具体的事由』を書き足していくのが
やりやすい方法です。

あとは、貴社の状況に合わせて、文章を考えてみてください。
もちろん、上記の内容を参考にしていただいて結構です。

なお、ここには、具体的な業務内容を書いてください。

ダメな例としては、次のようなものです。
東京本社・・・臨時の顧客対応、納期の集中・・・100人
大阪支社・・・臨時の顧客対応、納期の集中・・・50人
このような書き方です。

この東京本社や支社などの事業場単位でまとめるのはダメということです。

ちなみに上記のような内容ですと、提出時に労働基準監督署からダメだしを
受けて、協定し直しを求められるでしょう。

ところで、あなたの会社にはきっと人事組織図
おありかと思います。
是非、それを机において見ながら
作成すると洩れなく書けると思います。

まずは、人事組織図の御用意を!

以上、『時間外労働をさせる必要のある具体的事由』と
『業務の種類』の欄が埋まったかと思います。

それでは、次に『労働者数』を記入していきましょう。

労働者数

ここには、ズバリ、時間外労働をさせる可能性のある労働者の人数を記入してください。

といってもここは予測不能でしょうから、人事組織図を
見ながら、部署所属の人数を記載してください。

パート・アルバイトも法定労働時間を超えて
残業させることがあり得れば、人数に入れる
ことを忘れないでください!!

もちろんここには管理監督者の数は入れません。

念押しするなら、名ばかり管理職でなく、労働基準法に
よって適切に決めている管理監督者であるなら、数に入れなく
て良いということです。

理由は、労働基準法の管理監督者は、労働時間に
ついての規制はないからですね。

つまり、労働時間という考え方をとらないわけです。
それで、残業も関係ないのですから、
ここには記載しないわけです。

(下の記事も参考にしてください。)
労働基準法の管理監督者とは?

それでは、できる限りの所属人数を記載
できたでしょうか?

次にさらに右の欄に目を移していきましょう。

所定労働時間

ここは、貴社で決めている、1日の労働時間を記載して下さい。

通常は、8時間や7時間、7時間30分などとなりますね。
つまり、会社ごとに違うわけです。

是非、貴社の就業規則の1日の所定労働時間が書かれて
いるページを開いて、参照してください。
(就業規則がなければ、雇用契約書をご覧ください。)

以下、ちょっと脱線するかもしれませんが
注意を喚起させていただきます。

間違っても9時間などと書かないようにしてください。
所定労働時間を法定労働時間(1日8時間)を
超えて設定はできません。
なぜかと言えば、法律違反となるからですね。

お読みになっている方の多くは、労働法基準法に
ついて初心者でしょうから要注意です!

つまり、最初から、例えば1日9時間労働
といった法定労働時間を超えた労働時間で労働契約をしたり、
また労働させることはできないということになります。
まさに労働基準法第32条違反となるからです。

さて、本題にもどりましょう。

所定労働時間数ですが、ここは比較的簡単に書けたと思います。
如何でしょうか?

それでは、さらに右欄に移りましょう。
次は、いよいよ、具体的に延長できる時間
の設定に入りたいと思います!

延長することができる時間

さらに核心に迫ってまいります。
すなわち、協定の本体ともいえる重要な内容となってきます。

この記載の仕方によって、法律違反になるかならないか
が大きくかかわってきますから、よくお読みください!

それでは、また36協定届の中身をご覧になり
ながらお読みください。(下記をクリック)

36協定届

この大枠の中に左から『1日』、『1日を超える一定の期間
という枠が中に入り込んでいるのが分かると思います。

それでは、御説明しましょう。

1日

この欄については、1日に残業させられる時間を
記載することになります。
(フレックスタイム制については、1日の残業時間を
定める必要はない。)

そして、実は、一般的にこの1日に残業させられる時間の
限度はありません!(※)

(※一定の有害業務については、1日2時間までと決められています。)

残業とは、翌日の始業時刻まで(※)を残業と言いますから、
そこまでは、残業させられるということになります。

(※翌日が法定休日である場合には、午前0時からは法定休日
労働となります。割増率×1.35)

ですから、あまり申し訳なさそうに少なめの数字
を記載するのではなく、いろいろなことを想定して、
出来る限り多めの時間を記載しましょう!

ちなみに、この協定で定めた時間を超えて
労働させてしまうと労働基準法違反となり
やはり処罰の対象となりますから、御注意ください。

処罰を免れるという観点から考えれば、
多めに設定するということは、まさに大きなポイントとなりますから、
御留意くださいね!

あと、この1日の残業時間ですが、所定労働時間が
法定労働時間(8時間)以内のときは、どのように
記載したら良いか?という疑問が湧くこともあると
思います。

この点については、
36協定届(様式第9号)に記載して
ある下の部分の注釈をみていただければ分かります。

つまり、法定労働時間(8時間)を超えて残業させる時間を
記載すればよいわけです。

それでは、所定労働時間と法定労働時間の隙間時間
についてはどうすればよいか?
という御質問もあろうかと思います。

これは、就業規則に「所定労働時間を超えて労働させる
ことがあるなどの条文があれば、それで大丈夫です。

そういった意味では、就業規則も大事です!
(就業規則と残業の関係については、
また次回以降に書きたいと思います。)

36協定は、「法定」労働時間を超えて何時間労働
させることができるかという内容にすればよいわけ
ですから、そこまで気にする必要はないというわけですね。

それでは、今回は、ちょっと中途半端なのですが、1日に
残業させられる時間の記入方法までとなりました。

続きは、以下の記事をクリックしてご覧ください。
36協定届の適切な作成方法(その3)

 

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