Archive for 法改正

36協定届の適切な作成方法(その5)…特別条項の記載方法


みなさん、こんにちは。
労働基準監督署・調査対策対応支援.com
の加賀英治です。

さて、今回は、
36協定
のうち、
特別条項の記載方法
について書いていきます。

先回は、特別条項とはどんなものか
について理論からお伝えしました。

(前回の記事をご覧になりたい方は、
下記をクリックしてご覧ください。)
36協定届の適切な作成方法(その4)

それでは、実際に
36協定届に
特別条項を記載
する方法をお伝え致します。

まずは、
36協定届(様式第9号)をご覧ください。(下記をクリック)
36協定届

ちなみに
36協定届(様式第9号)は、
各都道府県労働局のホームページからダウンロードが可能なので、
ワードのファイルでダウンロードしてください。(以下、クリック)

東京労働局様式ダウンロードページ

御用意はできましたでしょうか?

まず、
36協定届の下に
説明書きがありますが、
その部分をガッツリ削ります

そうするとかなり余白ができましたよね?
あとは、さらに表と協定成立年月日の間に空白を開けてそこに
特別条項の文書を打ち込んでいくことになります。
大体5行くらい開ければ大丈夫でしょう。

わたしはこのように余白部分に
特別条項を記載していく方式をとっています。

つまり、なるべく紙面を少なく、1枚にまとめる
努力をしています。

このようになったかと思います。(以下、クリックしてご覧ください。)
36協定届余白空け

(ちなみに特別条項を別紙で
作成して提出しても結構です。)

では、余白をとる作業をしたところで水を差すようで
恐縮ですが、実は、特別条項絡みの改正法が、
平成22年4月1日から施行されております。

それで、従来とは書き方が異なることに
なりますので、法改正情報をまず御案内
したいと思います。

特別条項に絡む平成22年4月改正点について

法改正のポイントは以下の通りとなります。

1.限度時間を超えて残業させる時間、1日を超え3か月以内
と1年間の双方について、割増賃金の率を定めること。

2.前述の割増率を2割5分以上の率とするように努めること。

3.月60時間以上となった場合には、業種により一定の
資本金と労働者数に該当した場合に割増率を5割と
しなければならないこと。

4.延長することができる時間数を短くするように努めること。

では、御面倒かとは思いますが、
簡単に各ポイントに触れてみたいと思います。

1については、具体的には1年と1か月の
限度時間を超える残業代の割増率
36協定届就業規則記載しなければならなくなりました。

今回は
36協定の書き方ですから、特別条項に
その点をしっかり書きこんでいきます。

ちなみに月60時間以上ですと「3」の5割増し
が絡んでくるので、その場合には書き方も面倒になります。

しかし、一定の資本金と労働者数に該当しない場合
つまり、資本金か労働者数のどちらかが中小企業の範囲内の
場合には、5割増を適用しなくてよい(とりあえず3年の猶予期間
となっていますが…)ので、猶予企業に該当すれば当面は大丈夫です。

なお詳しくは、以下の記事をご覧ください。
月残業60時間超で5割増が必要な企業の範囲について
月残業60時間超で5割増が必要な企業…業種分類について

2については、できるだけ2割5分以上の率で
支払うように努めることとあり、行わなくても法違反になりません。

ですから、これ、今まで通りの2割5分(×1.25)
で計算するようにしましょう。

ちなみに「3」に絡む点については、「1」で
述べたことと同じですから、ここでは割愛します。

3については、「1」でも触れたように一定規模以上の大企業は、
月60時間超の法定時間外労働を行わせた場合に
5割増(×1.5)以上の残業代を
支払う必要があります。

4については、近年、長時間労働に伴う
労働災害が増加したまま推移していることから、
残業時間を自主規制するように促しているものです。

この点は、立法趣旨はもちろん理解できるのですが、
協定違反で法違反を指摘されることをまず第一に回避したい
ので、出来る限り多めに設定することが
セオリーとなるでしょう。

なお、実際に特別条項の時間を削減できれば
それに越したことはないのは言うまでもないことです。
是非、この残業代抑制に努めてもらいたいものです。

さて、以上の改正点に触れたところで、いよいよ
特別条項の書き方に目を移していきましょう。

特別条項の文章の書き方

それでは、どんな文章を
記載するのかをお伝え致します。

基本的には、企業に一番ニーズがあると思われる
パターンをお示ししたいと思います。

つまり、MAX6か月でできる限り特別条項を発動する
パターンを基準にして、考えてみたいと思います。

◆45時間超をMAX6か月で定める場合

私自身、日頃、企業に対して大抵1か月はどんなに多くても
75時間までで
設定するようお勧めしているので、
このパターンで考えてみようかと思います。

前回のおさらいとなりますが、
次のような計算になります。

45時間×6か月=270時間(a)
75時間(月間の特別条項)×6か月=450時間(b)

(a)+(b)=720時間(年間の特別条項)

このようになりましたね。

これをどのように文章で表現するか?ということになります。
では早速以下に文例を示したいと思います。

特別条項:表中の限度時間にかかわらず、
1か月において75時間、年6回までとする。
また、年間においては、720時間までとする。

対象業務(特別の事情)は、生産部門(通常の生産量を大幅に
超える受注があり、納期がひっ迫するとき)、
経理部門(予算、決算の業務)とする。

当該特別条項の発動に際しては、
会社がその旨を対象労働者に予め通告する。

そして、その下に割増率についての文章を書きます。

割増率:特別条項についての割増率は、
1か月及び1年の双方につき2割5分とする。

以上が、中小企業の記載方法となります。

大企業であれば、月60時間超の割増率5割を考えた
文章を記載するのですが、一応、当ブログは、中小企業の
ための情報提供ということで、そこは端折らせていただきます。

なお、割増率の記載方法ですが、
気にする方のために、一応触れておきたいと思います。

何かと言いますと、こんなケースが考えられますね。

4月から9月まで45時間⇒45時間×6か月=270時間

そうすると年間360時間の枠まであと90時間しか残りません。
結局次のようになります。

10月以降75時間⇒少なくとも12月は、月間45時間を超えて、かつ、
年間360時間も超えてしまうことになります。

つまり、月間、年間とも二重に特別条項に突入
してしまうことになります。

この場合の割増率の記載方法はどうしたらいいか?
こんなことまで考える方もおられます。

要するに2割5分としても、
率の加算を行わなければならないのではないか?
という心配ですね。

正直いうと、社会通念から言って、中小企業が
一般的に率の加算まで予定しているとは到底考えら得れませんので、
ここまで心配することもないでしょう。

しかし、私は職業柄そのあたりもリスクヘッジすべき
とこだわっていて次の一文を文末に挿入しています。
割増率の文章の文末に挿入)

なお、1か月及び1年間、双方において
特別条項時間が生じても率の加算は行わない。

このように加算を行わないという
一文をつければほぼ完璧といえます。

ちょっと、蛇足だったかもしれませんが、
御参考下さい。

それでは、特別条項の記載は完成ですね!

あとは
36協定届の残りの
記載方法を続けてお示しします!

次回もご覧ください。
なお、次号の記事は、下記をクリックしてご覧になれます。
36協定届の適切な作成方法(その6)

なお、一連の記事を確認したい方は以下の記事をご覧ください。
36協定届の適切な作成方法(その1)
36協定届の適切な作成方法(その2)
36協定届の適切な作成方法(その3)
36協定届の適切な作成方法(その4)・・・特別条項とは、労働時間規制のリミッター外し!?

月残業60時間超で5割増が必要な企業の範囲について


こんにちは。「労働基準監督署・調査対策対応支援.com」の
加賀英治です。

さて、今回は、平成22年4月1日から施行されいる
改正法について参考資料をアップします。

法改正の目玉といえる点として、月60時間を超えて
法定時間外労働をさせた場合には、60時間を超えた
部分について5割増以上(×1.5以上)の率で残業代を
支払わなくてはならなくなりました。

しかし、一定規模に満たない中小企業については、
当分の間(改正法施行後3年間)適用を猶予しよう
ということになっています。

それで、具体的にどのような規模の企業に適用されるのか
という点をお伝えいたしますので、下表を御参考ください。

なお、適用は企業単位(法人単位)
となりますので、ご注意ください!

また、在籍出向者は、出向元と出向先の
双方の企業に人数をカウントするので、
間違えないようにしてください!

猶予される中小企業


※業種分類は日本標準産業分類(第12回改定)

に従っています。

なお、具体的な業種の情報は、下記の記事をご覧ください。
月残業60時間超で5割増が必要な企業…業種分類について

念のため、例えて考えてみると次のようになります。
(是非、上の表を見ながら考えてみてください。)

事例1:小売業で資本金500万円、労働者数10人

回答⇒中小企業となり、月60時間超の残業の5割増し
支払いは不要

理由:労働者数、資本金の双方とも中小企業の範囲内
であるため。

事例2:小売業で資本金1,000万円、労働者数60人

回答⇒中小企業となり、月60時間超の残業の5割増し
支払いは不要

理由:労働者数は中小企業の範囲を超えているが、
資本金は中小企業の範囲となるため。

事例3:卸売業で資本金1億5千万円、労働者数80人

回答⇒中小企業となり、月60時間超の残業の5割増し
支払いは不要

理由:資本金は中小企業の範囲を超えているが、
労働者数は中小企業の範囲となるため。

事例4:製造業(その他業種に該当)で資本金4億円、
労働者数400人

回答⇒中小企業ではないので、月60時間超の残業に
ついては、5割増で支払う必要がある。

理由:資本金、労働者数の方法とも中小企業の範囲
を超えているため。

以上、御参考下さい。

月残業60時間超で5割増が必要な企業…業種分類について


こんにちは。「労働基準監督署・調査対策対応支援.com」の
加賀英治です。

平成22年4月から施行されている改正法情報
御紹介しております。

今回は、下記の内容の流れのうえでさらに情報を
お示ししたいと思っております。

月の法定時間外労働が60時間を超えた残業代割増

月の残業時間が60時間を超えた場合については、
5割増(×1.5)以上の率で、残業代を支払う必要
ありますが、一定規模の中小企業に該当すれば、
当分の間その適用が猶予されるわけですね。

それで、中小企業の範囲とは、
一体何かということになる
と思います。

これについては、
以下の記事をご覧ください。
月残業60時間超で5割増が必要な企業の範囲について

その記事では、業種分けとして、次の業種が示されています。

小売業
サービス業
卸売業
その他

このように4種類に分けているのです。
しかし、具体的に業種判断するはどうしたら良いのか?
という疑問も生じますね。

今回は、その業種分類の資料をお示しします。

ちなみに改正時に政府が用いた資料は、
日本標準産業分類です。
(第12回改定)

それでは、以下に表をお示ししますので、
ご覧ください。

業種分類


以上、御参考ください。